2025.10.02

渡辺パイプの未来志向オフィスづくり ~ZEB導入で省エネ大賞を受賞~

ZEBとは? 渡辺パイプが挑む“エネルギーゼロの建物”

渡辺パイプでは、長期ビジョン「SEDIA2030宣言」の一環として2022年に環境ビジョンを掲げ、EV(電気自動車)の導入、省エネ商品の流通促進、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の導入など、環境への積極的な取り組みを進めています。
本社の建築・営繕グループの竹中グループリーダーと土橋さんは、ZEB導入は社員の働きやすさと環境配慮を両立させる重要なプロジェクトであると話します。

竹中:「SDGsの中でも特に『気候変動への具体的な対策』と『働きがいの向上』という観点から、渡辺パイプが強みを持つ『水と住まいと農業』の領域で、どのように社会に貢献できるかという議論を重ねました。その結果、地球規模の環境問題と、社員の働く環境改善を同時に実現できるZEBが、当社の目指す方向性と一致していると考え、取り組みを始めました。」

ZEBは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。

働きやすさ×環境配慮×提案力 ― ZEBが生む“三方よし”の価値

渡辺パイプが取り組むZEB導入は、社員が快適に働ける環境づくり・環境への配慮・商材提案力の向上という3つの価値を同時に実現しています。
しかし、全国に600以上のサービスセンターを展開する当社にとって、地域ごとの気候条件を踏まえたZEB設計は大きな課題でした。
 
竹中:「寒冷地から温暖地までの標準仕様を考えて、投資回収期間を算出可能な『ZEB化試算コストシート』を作りました。これで初めて、地域に合わせた導入が現実的になったんです。現在では寒冷地・標準地・温暖地の地域特性を考慮した最適な設備導入ができています。」
 
例えば、2021年4月に新築開設した函館サービスセンター(北海道函館市)では、寒冷地で太陽高度が低いため間隔を取ってゆったり配置した屋上の太陽光発電パネルを導入。また、寒冷地では、消費エネルギー量を抑えるために建物の断熱性の確保も重要なポイントになります。
 
土橋:「函館サービスセンターは、執務室まわりに断熱ゾーンを作ったり、壁の中で結露が起きない断熱材やガラスを使ったりしているんですけど…ちょっと専門的な話になっちゃいますね。でも大事なのは、導入して終わりじゃないってことです。社員が『あ、働きやすいな』って感じてもらえるかどうかなんです。現場の声を聞きながら、快適さと省エネの両立を工夫しています。」

ZEBが変えるのは建物だけじゃない?お客様の意識と行動まで

ZEB導入は単なる省エネにとどまらず、地域社会やお客様にも影響を与えています。
 
竹中:「特に印象に残っているのは、さいたま中央サービスセンター(埼玉県さいたま市)でZEB建築に携わった協力業者さまからの反響です。高効率の太陽光パネルや充電システムの性能に感動して、『これだけ効果があるなら、自社でも導入したい』と言っていただき、実際に自社でも採用していただきました。さらに、ZEB導入で省エネ意識が高まったことから、電気自動車を購入されたケースもあったそうです。当社のZEB取り組みが、お客様の意識や行動まで変えるきっかけになった、象徴的な出来事だと感じています。」

建材を扱う商社として、ZEBを「当たり前のもの」にすることを目指し、自社で得たノウハウやデータを積極的に開示。お客様や業界全体と共有することで、ZEB導入のハードルを下げ、日本の建築業界の持続可能性に貢献しています。

省エネ大賞受賞!挑戦を楽しむ、渡辺パイプの働き方

こうした「全国展開するオフィスのZEB化普及の取り組み」が評価され、渡辺パイプは大和ハウス工業と共同で、2022年度省エネ大賞(省エネ事例部門)で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
東京ビッグサイトで行われた革新的な省エネルギー、脱炭素技術の総合展「ENEX2023」への展示の際は経済産業大臣にも取り組みを説明しています。
また、ZEBリーディングオーナーにも登録され、ZEBの建物は全国で25件にのぼり、全国でトップレベルとなっています。

渡辺パイプでは、フロンティア精神を持ち、新しい価値を生み出す挑戦を続ける人材が活躍しています。ZEB導入などのこうした新しい取り組みは、社員が挑戦を楽しみながら働く文化を生み出しています。

竹中「私たちの部署は、少人数で運営する小さなチームです。ZEBへの取り組みを始めた当初は、まさかこれほど大きな反響があるとは誰も思っていませんでした。
しかし、一人ひとりが目の前の課題にコツコツと向き合った結果、省エネ大賞という名誉ある賞を受賞することができ、当時の経済産業大臣の目に止まり、直接プレゼンをする機会をいただきました。他にも専門誌への寄稿やメディアにも取り上げていただきました。
このような経験から、これからの新社会人のみなさんには、『どうせ無理』と思わず、是非、新しいことになんでも挑戦していってほしいと思っています。その挑戦を、全力でサポートし、共に成長できる環境があるのが、渡辺パイプだと思います。」
 
渡辺パイプの未来志向オフィスづくりには、フロンティア精神にもとづいた挑戦が詰まっています。今後も、渡辺パイプの新しい挑戦にぜひご注目ください。