2026.07.14

なぜ渡辺パイプはいちごを育てるの?グループ直営『げんき農場』にある“儲かる農業”のヒント

渡辺パイプの事業は、建設・設備・住環境・農業など、社会の基盤を支えるさまざまな分野に広がっています。
その中でもグリーン事業部が取り組んでいるのが、グループ直営農場「げんき農場」の運営です。
実はこの農場、単に農作物を育てる場所ではありません。
そこには、渡辺パイプならではの明確な目的があります。
今回は、全国で展開するげんき農場の取り組みと、その背景にある想いをご紹介します。

「お客さま目線」を徹底するために

渡辺パイプのグリーン事業部では、ビニールハウスや温室設備などの農業資材を、全国の生産者の方々へ提供しています。
しかし農業の現場では、気温や湿度の管理、収穫量の安定、作業効率の改善など、日々さまざまな課題が生まれます。
机上の知識だけでは見えてこないことも少なくありません。
そこで生まれたのが、自分たち自身が農業を実践するという取り組みでした。
げんき農場は、渡辺パイプが開発・提供するビニールハウスや農業設備を実際に活用しながら、
「儲かる農業」を実証する実践型モデル農場です。
自ら農業を行うことで現場の課題をリアルに理解し、より良い設備や仕組みづくりに活かしていく。
それが、げんき農場の大きな役割です。

渡辺パイプのハウスで育てる「いちご」と「ミニトマト」

げんき農場では、メーカーならではの最新設備を導入したハウスで、太陽の光をたくさん浴びたいちごやミニトマトを栽培しています。
現在、国内では以下の拠点で農場を展開しています。

羽生農場(埼玉県羽生市)
・設立:2020年
・栽培作物:いちご
・栽培面積:約7,248㎡

八街農場(千葉県八街市)
・設立:2003年
・栽培作物:ミニトマト
・栽培面積:約8,600㎡

基山農場(佐賀県基山町)
・設立:2025年
・栽培作物:いちご
・栽培面積:約1,680㎡

さらに三重県には提携農場もあり、全国の拠点で栽培技術の実証を進めています。
収穫された作物は、卸売市場やスーパーなどの量販店、カフェレストラン、産地直送サイトなどを通じて出荷されています。
また、観光農園や直売所、キッチンカーなどの取り組みを通じて、地域の方々とのつながりも広がっています。

営業から農場長へ。自ら手を挙げて始まった挑戦

羽生農場を率いるのは、農場長の服巻さんです。
服巻さんは2016年に渡辺パイプへ入社。
入社後はグリーン事業部の営業として、中四国エリアで農家の方々へビニールハウスや農業設備の提案を行ってきました。
営業として多くの農家の現場を訪れる中で、農業の課題や可能性を肌で感じていたといいます。
そんな中、社内で立ち上がったのが「げんき農場 羽生プロジェクト」でした。
渡辺パイプが自ら農業を行い、設備や栽培技術を実証する農場をつくる——。
その新しい挑戦に対して、服巻さんは自ら手を挙げてプロジェクトに参加しました。
営業として培った現場感覚を活かしながら、現在は羽生農場の農場長として、いちご栽培と農場運営を担っています。

農場長インタビュー「現場で試すからこそ、本当に役立つ設備になる」

げんき農場では、日々どのような想いで農業に取り組んでいるのでしょうか。
羽生農場の農場長である服巻さんに話を聞きました。

服巻「一番の違いは、農業総合メーカーの実証農場であることですね。

渡辺パイプではビニールハウスや設備を全国の農家さんに提供していますが、実際に現場で使ってみないと分からないことも多いんです。

農業には多額の設備投資も必要になります。営農を行い、設備や栽培方法を検証しています。ここで得られた知見を、お客さまへ還元していくことも大きな目的です。」

(毎月配信している「営農通信」では、げんき農場の取り組みをもとに、農家のみなさまに役立つ情報や現場の気づきを配信)

服巻「やはり品質と味ですね。いちごは見た目だけでなく、甘さや香り、食べた後の余韻まで含めて評価されます。
そのため、ハウス内の温度や湿度、日射量、養液の管理などを細かく調整しながら、日々試行錯誤しています。
羽生農場では、明るさにこだわったビニールハウス『八角クリアハウス』を採用しています。
その中で、渡辺パイプのハウス環境制御盤『ウルトラエース』を活用し、温度や湿度、日射量などの環境データを管理しています。
これらのデータをもとに環境をコントロールすることで、いちごにとって最適な栽培環境づくりを目指しています。」

(ハウス環境制御盤『ウルトラエース』を使用する服巻さん)

全国の品評会でも評価される「げんき農場のいちご」

げんき農場のいちごは、その味の評価でも高い実績を残しています。
2026年には、産直サイト「食べチョク」が開催した「食べチョクいちごグランプリ2026」において、
・総合部門:銅賞
・味わい部門:ザ・リッチな甘さ賞
をダブル受賞しました。
この受賞を受けて、2026年3月には服巻農場長が埼玉県知事 大野 元裕 氏を表敬訪問し、受賞報告を行いました。
また2026年2月には、一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が開催した「第4回全国いちご選手権」において、げんき農場のいちご「あまりん」が銀賞を受賞。
審査員からは、
「甘味がとても強く、口の中全体に甘い余韻が残るいちご」
といった評価が寄せられました。
さらに、同選手権で埼玉県内の生産者が優秀な成績を収め、県産いちごの魅力を全国に広く発信したことが評価され、
げんき農場は3度目の「埼玉農業大賞特別賞」を受賞しています。
埼玉農業大賞は、革新的な農業経営や地域農業の振興に貢献した農業者などを埼玉県知事が表彰する制度です。
今回の受賞は、埼玉県のいちごの美味しさを全国に広く発信した功績が評価されたものです。

SNSでも人気。地域に愛される農場へ

げんき農場は、地域の方々にも親しまれる農場として広がりを見せています。
公式Instagramのフォロワーは約1.5万人。(https://www.instagram.com/genki.nojyo/
農場の日常を紹介するリール動画が240万回再生されるなど、大きな反響を集めています。
また、例年2月〜5月頃にはいちご狩り施設をオープン。
羽生農場や基山農場には、多くの来場者が訪れます。
さらにキッチンカーでは、
・いちご贅沢けずり
・いちごスムージー
・ミニトマトのミネストローネ
など、農場の食材を活かしたメニューも提供しています。

現場から生まれる、本当に役立つ農業設備

渡辺パイプのグリーン事業部では、ビニールハウスや温室設備などの農業資材を、全国の生産者の方々へ提供しています。しかし農業の現場では、気温や湿度の管理、収穫量の安定、作業効率の改善など、日々さまざまな課題が生まれます。机上の知識だけでは見えてこないことも少なくありません。
自ら農場経営を行うという挑戦は、「お客さま目線」を徹底するための取組です。自社で農場を運営することで、設備が本当に役立つのか、どうすれば収穫量や品質が向上するのかを自分たちで確かめることができます。そこで得たデータや成功・失敗の経験は、そのままお客さまへの提案に活かされます。単に商品を紹介するのではなく、「どうすれば儲かるか」まで踏み込んだ提案ができることが強みです。
げんき農場は、渡辺パイプが開発・提供するビニールハウスや農業設備を実際に活用しながら、「儲かる農業」を実現できるかを検証する実践型の農場です。自ら農場経営を行うことで現場の課題をリアルに理解し、より良い設備や仕組みづくりに活かしていく。それが、げんき農場の大きな役割です。